届いたマシュマロ
教えてもらった相手を、ブロックするまで
VRChatを始めたばかりの女性から、アバター改変を教えてくれた男性との距離感について、マシュマロが届いた。
最初は、画面共有で設定を教わっていた。その後、二人きりの空間へ誘われ、本人が望んでいない接触を受けるようになったという。
女性はいったんVRChatから離れた。「複数人がいる場所なら問題は起きないだろう」と考え、自分が参加するDiscordサーバーに相手を招いた。
それでも「かわいい」「欲しいものある?」「VRChatをしよう」「お砂糖しよう」といった言葉が続いた。配信でも、特別な関係を匂わせるコメントや、配信外での交流を求める発言が目立つようになった。
最後は相手をブロックした。もっと早く切ればよかったと思う一方、世話になった相手を拒んだ申し訳なさも残ったという。
同じ親切を、違う意味で受け取る
助けたい。知っていることを教えたい。頼られると嬉しい。できれば仲良くもなりたい。親切には、そうした気持ちが混ざることもある。
ただ、教えた時間を理由に、相手が望んでいない親密さまで求め始めたら、話が変わる。
教わった側は「改変を教えてもらった」と思っている。教えた側に別の期待があれば、「これだけ時間を使ったのだから」と考えるかもしれない。同じ時間を過ごしていても、二人が見ている勘定書きは違う。
「教えたい」の中に、何が混ざっているのか
配信では、「同じ初心者でも男性だったら、同じ熱量で教えるのか」という問いも出た。性別に関係なく世話をする人がいる一方で、頼られることや、仲良くなるきっかけを求める人もいるのではないか、という話だ。
教わる側にも、調べる手間が省ける、困ったときに頼れるという利点がある。片方は助かり、もう片方は頼られて嬉しい。その関係に、どちらかが別の意味を足したとき、温度差が出る。
似た経験の例として、キャンプや釣り、ジムやゴルフの打ちっぱなしでの話も挙がった。女性から「テントを立てて」「教えて」と頼られたという男性側の話も出た。配信では、VRChatに限らず起きる距離感の問題として話が広がった。
ブロックするまでの時間に、恩が引っかかる
今回の相談者は、嫌なことをされた後も、助けてもらった記憶を手放せなかった。相手が「恩を返せ」と言わなくても、自分の中に借りが残ることはある。
だから「嫌ならブロックすればいい」だけでは、迷いはなくならない。ボタンはすぐ押せても、関係を切ると決めるまでには時間がかかる。
リスナーは、どこで線を引くのか
好意があっても、押し付けなければいい
配信では、仲良くなりたいという感情まで否定しなくていい、という意見が出た。
下心はあってもいい。それが押し付けにならなければ
好意を持つことと、それを理由に相手へ要求することは別だ。相手が望んでいなければ引けるか。そこで境界が見えてくる。
教えてほしいと言われるまで、見守る
教えてくださいと言われるまでは見守ればいい
困っているように見えても、本人は自分で試したいかもしれない。知識があることと、今それを教える必要があることは別だ。求められていない助言は、善意の顔をした指示にもなる。
「切るべき」と言った人にも、切れない相手がいた
怖いと思った段階で離れた方がいい、という意見もあった。ところが、その意見を述べたリスナーから、こんな話も出た。
切るべきと言ったけれど、自分も切れていない嫌な人を何人か抱えている
同じ界隈だから気まずい。逆上されるかもしれない。以前は世話になった。配信者なら、別の場所まで追ってこられる不安もある。理屈で決められても、実行するまでには別の難しさがある。
離れる負担を、被害側だけに押し付けない
嫌なら早めに意思を伝えた方がいい、という声の一方で、こうした意見も出た。
被害を受けた側が場所を変えたり、行動を変えたりしなければならないのはやるせない
自分を守るために距離を置くことと、相手の行動に問題がなかったことは別だ。「もっと早く逃げればよかった」で、嫌なことをした側の責任まで消えるわけではない。
この一件で、VRChat全部を決めつけない
いろいろな世界があって面白いのに、人間関係の悪評ばかり広がるのは悲しい
普段VRChatを楽しんでいるリスナーからの声だった。今回の体験だけで、そこで遊ぶ人や文化全体を語ることはできない。
アバターになっても、好意や嫉妬、恩を感じる心は残る。外見を変えても、人間関係まで仮想になってくれるわけではない。
コヨーテは、線を引いた後の態度を見る
俺が見たいのは「下心があるか」より、こちらが線を引いた後に、どう振る舞うかだ。頭の中は読めない。本人も「助けたい」と「仲良くなりたい」を分けきれていないかもしれない。
二人きりは嫌だと伝えたら、引けるか。恋愛関係を望まないと言ったら、そこで終われるか。返信が遅くても不機嫌にならないか。教えた時間や贈ったものを、あとから持ち出さないか。
本心を当てようとするより、その行動を見る方が確かだと思う。
無料でも、気を遣う時間はかかる
教わる側も、お金がかからないから得とは限らない。連絡先を交換して、長い時間を二人で過ごして、断るときに悩む。その負担まで考えれば、第三者に料金を払って教わる方が楽な場合もある。
世話になったことは、感謝していい。それでも、今はもう関わりたくない。この二つは矛盾しない。
感謝は返せばいい。自分まで返す必要はない。
まとめ
自分が差し出したものを理由に、相手が差し出していないものまで受け取ろうとすること。 今回の話で、俺が問題にしたいのはそこだ。
教えたから仲良くしてほしい。贈ったから返事がほしい。後から片方だけが条件を書き足せば、親切は重くなる。
怖いのは無料の親切ではない。あとになって、見覚えのない請求書が届くことである。