きっかけになった相談
ある配信で長くモデレーターを務めていた人から、マシュマロが届いた。先日その配信を見に行くと、自分だけモデレーターから外れていたという。
ほかのモデレーターは残っている。事前の連絡も、解除後の説明もなかった。
心当たりは、以前、別のモデレーターについて配信者に話したことだった。「最近あの人が勝手に判断しているように見える。自分以外にも気になっている人はいると思う」と伝えたという。
本人に悪口のつもりはなく、配信者も普通に聞いていた。だから、それが解除の理由なのかは分からない。
長く手伝ってきたのだから、一言あってもよかったのではないか。理由を聞いてもいいのか。相談はそこから始まった。
剣マークより、説明の空白が痛い
モデレーターを外されたことと、配信者との関係を切られたことは同じではない。 人数や配信方針に合わせて、任せる役割が変わることはある。
でも、長く任されていれば、権限は「信頼されている証拠」にも見える。「問題があれば、先に話してくれるだろう」という期待もできる。
全員が外れていれば、方針が変わったのかと思えるかもしれない。自分だけだと、「何をした?」「あの発言か?」と考え始める。脳内に原因究明委員会ができる。委員長も証人も被告も自分。議事録だけが長くなる。
今回の相談では、権限を失ったことに加えて、理由が分からないまま、自分への拒絶のように感じてしまうことがつらいのだと思う。ただ、配信者が何を考えて外したのかは、まだ分からない。
リスナーの意見は「一度聞く」と「離れる」に分かれた
確認はしていい。回答を迫るのは別の話
理由を尋ねること自体には、肯定的なコメントが多かった。
理由は聞いていいと思います
なんか外れてるけど何かあったんなら教えてでええんやない?
一方で、聞かずに離れるという人もいた。
知りたければ聞けばいいけど、私は聞かずに離れるかな🤣
理由を聞くことと、説明を要求することは別だ。「納得できる理由を出してほしい」「誤解なら戻してほしい」まで進めば、確認から交渉へ変わる。質問はできる。ただ、返答がない可能性も残る。
手違いの可能性があるなら、推測を育てる前に聞く
操作上の手違いだった可能性も、配信で話題になった。実際の解除理由が確認できたわけではない。その流れで出たのが、このコメントだった。
単なる手違いとかだった場合、これだけこねくり回して怨念みたいなのが自分に宿ってからだと手違いだったとしても自分で勝手にしこり作ってどうせ駄目になるよ
空白に自分なりの理由を書き込み、推測に感情が乗る。気づけば事件の再現VTRまでできている。もし手違いなら、壮大な自主制作映画だ。そうなる前に、一度確認する価値はある。
剣を置いても、リスナーには戻れる
モデを外れて普通のリスナーに戻るの変じゃないよ
その配信がすきなら、モデレーター付いてなくても見に行くし
モデレーターを昇格と考えると、解除は降格に見える。でも、リスナーの上位職ではない。管理権限を預かる役割だ。外れても、それまでの視聴や、配信が好きだった時間まで消えない。
それでも長く任せた相手なら、配信者から一言あった方がいい。権限を変える裁量があることと、無言で変えるのがよいことは別だ。短い説明で、相手の長い考察編を止められるかもしれない。
「ほかの人も思っている」は、確認できたことだけで
相談者が配信者へ伝えた「自分以外にも気になっている人はいると思う」には、こんなツッコミが入った。
自分以外の考えが読める能力者だ
一人で悪く言っているわけではない、と伝えたかったのかもしれない。でも、確認していない他人の意見まで足すと、個人の懸念が突然「モデレーター世論」になる。
伝えるなら、見た行動を具体的にする。「あの人は勝手だ」より、「昨日のこの対応は、モデレーター判断でしてよい範囲ですか」。人物の告発ではなく、事象の確認にする。
任せる側も、役割と期待をはっきりさせる
コメント欄では、モデレーター権限を合鍵にたとえる意見が出た。
ちょっと合鍵渡すけど 部屋とか管理するの一緒にやってくれる?
管理のために権限を預ける、という意味でリスナーが出した比喩だ。
任せる側は、何をしてほしいかを伝えたい。明確な荒らしやスパムのコメントは削除する。判断に迷うコメントは配信者に回す。常連への処分を独断でしない。自分がトラブルの当事者になったら、別の人に判断を任せる。
こうした範囲が曖昧だと、それぞれの「良かれと思って」がぶつかる。善意は大切でも、運用ルールの代わりにはならない。
動ける人と、動かずにいられる人
まぁやってもいいよ〜って人じゃないと向かないよね 自己誇示するタイプの人には向かない
荒らしのコメントを削除するだけなら分かりやすい。難しいのは、強いツッコミか攻撃か、初見が文化を知らないだけか、配信者が自分で対応したいのかを読むことだ。必要なときに動き、必要がなければ動かない。
モデレーターは、一番応援している人より、一番安心して判断を預けられる人にする。
サブスク歴やBits、古参歴、仲の良さは、チャンネルを理解しているかを見る材料にはなる。でも、それだけで判断を任せられるとは限らない。管理権限を課金特典や皆勤賞にしたくない。
性別より、判断の偏りを小さくする
男性と女性のどちらに任せるのがよいか、という話も出た。
信頼関係あれば性別はどっちでも良さそうやけどどうなんですかね
対応する厄介な相手の特徴に合わせて、男が行くか女性が行くかカードは多い方が良いかなと思う
モデデッキ熱い🔥
ついにはデッキ構築が始まった。配信運営をそこまでカードゲーム化しなくてもいい。
ただ、同じ立場の人だけで固めず、違う視点を持つ人がいると判断の偏りには気づきやすい。性別を採用理由にするより、適任者を選んだ結果として、判断の偏りが小さいチームを作ると考えたい。
最初から、見直すことのある役割として任せる
長く続けても、モデレーター権限は「自分の席」にはならない。最初に任せるときから、必要に応じて見直す役割だと伝えておきたい。
たとえば試用期間を置く。任せる範囲を決める。定期的に見直し、外すときは短く理由を伝える。これはコヨーテが考える運用の案だ。
役割の変更を、王位の剥奪にしない。Twitchの剣は騎士爵ではない。ツールバーだ。
コヨーテなら、一度だけ理由を聞く
俺なら、一度だけ聞くことを勧める。戻してもらうためではなく、何が起きたのかを確認するためだ。文面は、これくらいでいいと思う。
モデレーターから外れていることに気づきました。戻してほしいというお願いではないのですが、何か理由があれば今後のために教えてもらえると助かります。答えにくければ大丈夫です。
ここへ「長年やってきたのに」「ほかの人は残っているのに」を全部入れると、質問の中に判決文が入ってしまう。
説明があれば受け取る。事実誤認があれば一度だけ伝える。返答がなければ追わない。モデレーターを外れても、その配信が好きなら普通に見ていい。もう楽しく見られないなら、離れてもいい。
俺が守ってほしいのは、自分がその配信を、無理なく楽しく見られる関係だ。
まとめ
理由は一度聞いていい。確認と復職交渉は分け、返答がなければ追わない。長く任されてきた権限も、自分の所有物にはしない。
任せる側は、役割を伝え、見直すときにも相手を置き去りにしない。権限は必要に応じて変えていい。人への説明まで雑にする必要はない。